今シーズンのテーマは芭蕉の「おくのほそ道」から引用。
おくのほそ道の旅は、
春の旅立ちの別れを惜しむ俳句から始まり、
秋の終わりに旅で出会った人に見送られる別れの句で締めている。
いわば別れで始まり、別れで終わる紀行記となります。
俳句とは、寂しさや切なさ、儚さ。
いわゆる日本人的「哀愁」を美徳としていると感じます。
そこでぼくは、今年の緊急事態宣言で人と会えなかった時間を経て
今回の展示会(20年6月)に「再会の夏」の句を作ったら面白いんじゃないか?
と思い、作った言葉を展示会の案内状に明記しました。
これは古典俳句の「哀愁」以上に、「現代人の人と出会う喜び」が勝っている事を表しました。
俳句としては後味がない言葉ですが、いま、言葉はそれくらい軽い方が腑に落ちます。
ここにその時の案内状を添付します。
題名は「少しおくのほそ道」
人はこれからも再会の場面が幾度も訪れます。
「人生の再会の時に何を着ていこう?」
その事を考えると、
服は人がもつ個性を声のように、着る人の心を表すものであってほしいと思いました。
それは、着て、着て、まだ着て、もっと着て。
着る人の肌に馴染んできてから一層クールになる服です。
形は、はっきりとしたアウトラインが強調されるパターン。
これらの服がほころんできた頃には、
リップラップが提案する「服が着用する人の声」になっていることでしょう。
時間が経ちすっかり秋になり、続々と新作の発送が始まりました。
これらの服を存分にお楽しみ下さい。
– POST FROM N
追記
今回、案内状のメジロのイラストを友人の青柳公大くんに描いてもらいました。
どうもありがとう!