ピア・トゥ・ピア




昨年、後輩とスタジオで呑んでいるときにおもしろい言葉を聞いた。

“ピア・トゥ・ピア”

これはコンピューター用語でいうところ、
サーバー(提供者)とクライアント(利用者)といった区別なしに、接続されたコンピューター同士が同格で通信し合うネットワーク形態。
また、他人を介さない当人同士の同等のコミュニケーション。
…という意味。

ぼくたちがふだん使っているパソコンやスマートフォンで共有している情報は当たり前にサーバー管理されており、個人やブランドが発信している情報はそれに準じて投稿している。

現在、リップラップのインスタグラムのフォロワーは2200人ほど。
ひとつのブランドのフォロワー数としては決して多くはないが、マンモス高校の生徒くらいの人数が見てくれていると思うとドキッとする。

とても便利に情報を発信できる世の中で、
「現代ってすごいなぁ」
と、感じる一方
「一体リップラップのアイテムを着てくれている人はこの内何人いるんだろう?」
と考えるようになり
「ファッションビジネスは便利になったけど、ぼくたちのファッションはサーバーやシステムに沿ったことでしか発信できないのか?」
と思うようになった。

写真やアートまたは文学では、SNSやインターネットのカウンターとして(もしくは並走して)ZINEやリトルプレスがある。
それは紙にダイナミックに印刷された言葉や写真で、ぼくの感情を揺さぶってくる。
「そんなものを洋服で作れないかなぁ。できれば手に取りやすいアイテムで」
と思い、酒の席での言葉そのまま-PEER TO PEER-と題してTシャツを作った。


今回、リップラップの取扱店に協力いただき
インターネットやSNSの掲載を一切禁止し、店頭での発信/販売のみのアイテムとして提案します。

-PEER TO PEER- tee 6/10発売
取扱店舗
業-nariwai- (宮城)
NCNR (石川)
Sunday people (東京)
horkew (愛知)
the poem (愛知)
JUDGE by MOLDNEST (岡山)
AUGGIE (鹿児島)

また、ぼくたちが販売する際も同様に
リップラップスタジオで行うイベントでの販売とします。(7月くらいに開催…予定…)




全てが画面でチェックできる世の中。
時には秘密を分け合いましょう。





-POST FROM N